Mediterranean and beyond

TokyoからBarcelonaを超えTel Avivまで。海と空をまたぐおもしろブログ。

セルビアと中国

深センでの滞在においては、Huangdu Plazaというビルの中にあるホステルに泊まっていた。ただ安いから(一泊$20くらい)ここを選んだだけなのだが、泊まってみてこの場所が実はバックパッカーや外人の長期滞在者の巣窟になっていることを知った。Huandu Plaza自体は36階建てのいわゆる高層マンションであるのだが、その中の大きな部屋を中国人(に限るかはわからないが)が抑えて、又貸しの形で外国人や旅人に部屋を貸し出している。こうしたホステルがこのHuangu Plazaの中に幾つもあって、このビルの中に深センの中の一大外国人コミュニティができている。自分が泊まっていたホステルにもロシア人の長期滞在者(既に1年以上この場所に住んでいるらしい)やセルビア人など、深センに長期滞在している外人が何人もいた。

その中でもセルビア人のコミュニティと仲良くなったのだが、聞くとこのビルの中に15人近くセルビア人が滞在しているらしい。その内の何人かと話して、何で深センに来ているのかを聞いたのだが、それがとても興味深い。一番大きな理由は、セルビアは今は経済が良くないらしく、チャンスのある中国に移住してきて一発当てる、というもの。話した人たちの中でも、中国からセルビアへの生姜(だったと思う)の輸出で事業を立ち上げているやつとか、デザイナー業(絵画からグラフィックデザインまで幅広くやっている)で生計を立てようとしているやつとか、ブランディングした若者向けウォッカのビジネスを立ち上げようとしているやつとかがいる。ここまではどこの国にも当てはまるのだが、「セルビアと中国はいい関係にあるから」という話が違った側面の理由として聞こえてくる。これは会話の後に調べたのだが、中国とセルビアは去年インフラ整備や経済交流に関して覚書を結んでいて、そこで一気に経済交流が加速したようだ。中国にビザなしで入れる数少ない国の一つがセルビアでもある(30日まで)。この裏には、中国が進めている外国との経済交流政策である「シルクロード構想」があり、セルビアは欧州側における重要な投資拠点になっているのだ。

政策によってこうした草の根の活動というのが、目立たないところで始まっているというのを目の当たりにした、興味深い経験だった。